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泣いて喜んだ「あまちゃん」再放送 課題山積の三陸鉄道が寄せる期待


 熱狂よ、再び――。三陸鉄道(岩手県宮古市)は、2013年に放送され一大ブームを起こしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が4月から再放送されることに熱い視線を注ぐ。沿線人口の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大や燃料費高騰など難題が山積する中、10年前の人気番組の再放送は貴重な好材料だ。宣伝効果を「大いに期待している」という声も上がる。【釣田祐喜】

 三鉄は、岩手県や沿線自治体が国鉄の不採算路線を引き継ぐ形で1984年に開業した。旅行会社を回る地道な営業活動を続け、団体客の誘致などに注力する中で東日本大震災に見舞われた。被害は大きく、一時は全線運転停止も余儀なくされた。

 しかし13年4~9月にあまちゃんが放送されると、作品に登場する鉄道会社「北三陸鉄道」のモデルとなった三鉄を目当てに観光客が押し寄せた。14年4月には全線での運行再開も話題となり、旅行会社の企画する観光旅行で三鉄を利用したツアー客は、14年度に過去最多の10万6000人に上った。

 三鉄の金野淳一運行本部長は「『あまちゃんを見て来ました』という人も多かった。定時運行の列車に乗るための行列ができた」と当時の人気ぶりを振り返る。

 そのブームも一段落し、20年以降はコロナ禍に苦しんだ。ツアー客が1万人台まで落ち込み、燃料費の高騰や資材高騰による修繕費も重荷となり、22年度決算は2期連続の最終(当期)赤字を免れない。

 そんな中、NHKが3月、あまちゃんの再放送を発表した。「驚いた」と金野さん。「10年前には小さくて見ていなかった子どもも見るかもしれない。大人になって『(三鉄に)乗りに行こう』と思う人もいるかもしれない。そうなると大変ありがたい」と期待に胸を膨らませる。

 放送開始から10年に合わせ、あまちゃんをイメージしたデザインのラッピング列車を走らせる計画も進む。5月には、コロナ禍で途絶えていたいわて花巻空港と台北を結ぶ定期便も再開する。三鉄の石川義晃社長は「(好材料を)生かしながら集客につなげたい」と話す。

 メインのロケ地となった北三陸の一帯も再放送を歓迎する。久慈市出身で、海女として観光客向けに素潜りを実演するPR活動に取り組む根井理帆さんは「(再放送の知らせを聞き)商店街の人も泣いて喜んでいる」と語り「とにかくおもてなしをしたい」と意気込む。

 久慈市など5市町村を中心とした観光推進協議会は3月31日、「あまちゃんの街PRキャラバン隊」を結成し、イベントなどで魅力を幅広く発信するキャンペーンに取り組むと発表した。9月には、特別企画としてあまちゃんの音楽を担当した大友良英さん率いるスペシャルビッグバンドや、主人公を演じたのんさんが出演するスペシャルコンサートを久慈市と東京都新宿区で開催する。詳細は北三陸「あまちゃん」観光推進協議会事務局(0194・52・2123)へ。

    ◇

 再放送は、BSプレミアムとBS4Kで4月3日スタート。毎週月曜~土曜午前7時15分~7時半。日曜には午前9時~10時半に1週間分6話が連続放送される。

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