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シリコンバレー銀行破綻「経営判断ミス原因」 FRB副議長明言


 全米16位のシリコンバレー銀行(SVB)など2行が経営破綻した問題で28日、米議会上院の銀行住宅都市委員会が公聴会を開いた。金融監督を担当する米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長は、SVBの経営判断ミスが破綻の原因と明言し、総資産が1000億ドル(約13兆円)を超える中堅銀行に対する監督規制を強化する必要があるとの認識を示した。

 バー氏は2021年11月時点で、FRBの監督官がSVBに対し、金利上昇や資金繰りなど「流動性」に関するリスクがあると指摘していたと明かし、「基本的に経営陣がリスクに適切に対処しなかったために破綻した」との見解を示した。そのうえで、総資産1000億ドル超の銀行に関する監督規制について「資本と流動性の基準を強化する必要があると考えている」と述べた。破綻した2行とも22年末時点で総資産は1000億ドルを超えていた。

 一方、バー氏は「技術の変化や台頭する新たなリスクに照らし合わせ、銀行業務に対する理解を深めていく必要がある」とも指摘。ツイッターなどのソーシャルメディアで危機が拡散され、1日で420億ドル(約5・5兆円)もの預金が一気に流出したSVBの事例を検証し、新たな対応策を考える必要性に言及した。

 米国ではリーマン・ショックを教訓として、10年に当時のオバマ政権が銀行の監督規制を厳格化する金融規制改革法(ドッド・フランク法)を成立させた。総資産500億ドル以上の銀行に厳しい健全性検査を実施する内容だったが、トランプ政権時代の18年に厳格な検査の対象は2500億ドル以上の銀行に限定されるようになった。

 22年末時点で総資産が2500億ドルを超えるのは12行。1000億~2500億ドルは破綻した2行を含め19行ある。【ワシントン大久保渉】

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