堺市立中いじめ 当時の担任、「保護者に連絡」と虚偽報告

　堺市立中学校に通っていた女子生徒がいじめを受け、その後自殺の可能性がある状態で亡くなった事案で、市教委は24日、当時担任だった女性教諭（51）が保護者に連絡していると虚偽の報告をしていたと明らかにした。

　市教委は同日付で女性教諭と当時校長だった美原区職員の男性（63）＝同日付で依願退職＝を減給10分の1（1カ月）の懲戒処分とした。

　生徒は1年生だった2018年、同級生からいじめを受け不登校になった。2年時の担任になった女性教諭は生徒と週1回程度会うように指示されたが、生徒が登校した4回以外は会っていなかった。校長もそれを確認していなかった。

　19年10月、生徒が救急搬送されたと知った校長と市教委が女性教諭にそれまでの対応状況を確認したところ、「生徒には会えていないが、保護者と1～2週間に一度連絡を取っている」と虚偽の説明をした。実際は2カ月近く連絡しておらず、保護者への市教委の聞き取りで発覚した。

　市教委は2022年3月に第三者委員会による調査報告書を公表したが、被害者や加害者のプライバシーを理由にいじめの内容や時期を明らかにしていなかった。保護者は市に再調査を求めていたが、12月に実施しないと決めた。【榊原愛実】