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高市氏は「逃げ切った」? “過剰”答弁連発に与党から辞任論も


 政府・与党は2023年度当初予算案を28日の参院本会議で可決、成立させる方針だ。その後、予算委員会は当面予定されておらず、国会は「開店休業」に近い状態になるとみられる。このため、放送法の「政治的公平」に関する文書を巡り、連日、野党の追及を受ける高市早苗経済安全保障担当相について、与党内には「逃げ切った」と見る向きもある。ただ、過剰とも受け取られる答弁を繰り返す高市氏の対応を不安視する声は消えない。

 「いきなり更迭うんぬんはあまりに論理が飛躍している」。岸田文雄首相は24日の参院予算委員会でそう述べ、野党からの高市氏の罷免要求を拒否した。

 予算案審議が参院に移った3月上旬、第2次安倍政権当時の官邸幹部が放送法の政治的公平の解釈を巡り総務省と協議したことなどが記された行政文書を立憲民主党が公表し、政治報道に対する官邸の圧力があったと指摘した。

 これに対し、当時総務相だった高市氏は官僚によるレク(説明)など自身に関する記載内容を一貫して否定し、文書を「捏造(ねつぞう)」と断言。文書が事実なら閣僚や議員を辞職すると表明した。結果、高市氏の去就ばかりが注目され、官邸による「圧力の有無」よりも文書の正確性に議論が集中した。

 総務省はその後、捏造があったとは「考えていない」「レクがあった可能性が高い」などとする調査結果を発表したが、高市氏は24日の予算委でも改めて「文書は不正確だ」と反論。言った言わないの水掛け論となり、野党側には手詰まり感も漂う。この問題をキャンペーン化してきた立憲はこの日の予算委で、2人の質問者のうち1人が総務省文書に一切言及しなかった。

 予算案は憲法の規定により月内の成立が決まっており、野党は年度内成立を人質に、首相に高市氏更迭を迫る審議拒否戦術は取れない。自民党幹部は「あとは(世間の)記憶が薄れていくだろう」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 一方、高市氏は「信用できないなら質問しないでほしい」といった答弁で度々、野党の反発を招いてきた。この日も、日本維新の会の音喜多駿議員が「高市氏は(放送法を巡る)話題の中心ではなく、出処進退に結びつける話でもない」と助け舟を出したが、高市氏は「簡潔な答弁を」との呼びかけを無視して4分近く「文書に書かれたようなことは、あり得ない」などと熱弁を振るった。

 自民中堅は「捏造は言い過ぎで、政府答弁の不一致を招きかねない。高市氏は静かにしていればいいのに、自ら形勢を不利にしてしまっている」と嘆く。だが高市氏は複数の月刊誌5月号に「文書は捏造」と主張する手記やインタビューを掲載するなど周囲の懸念を気にするそぶりはない。政界の後ろ盾だった安倍晋三元首相の死去後、党内で孤立を深めているとの指摘もある。

 高市氏は昨年末の防衛増税方針決定の際にはツイッターで「真意が理解できない」と首相を公然と批判するなど、これまでも言動が物議を醸してきた。公明党幹部からは「政権にリスクになりかねない。もう辞めさせるべきだ」との声も飛び出している。【小田中大、畠山嵩】

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