タクシー運転手に「うち殺すぞ」元熊本県議に罰金10万円の略式命令

　タクシーの運転手に暴言を吐いたとして、熊本区検が井手順雄・元熊本県議（63）を脅迫罪で略式起訴し、熊本簡裁が罰金10万円の略式命令を出したことが、熊本地検への取材で判明した。略式命令は1月30日付。罰金は納付済みという。

　井手氏を巡っては2022年8月、阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で全国高校野球選手権に出場した母校の試合を観戦中、全面禁煙にもかかわらず加熱式たばこを吸い、持ち込み禁止の缶チューハイを飲んだことも発覚している。

　タクシー会社によると、井手氏は22年12月、タクシーに乗った際、行き先を間違えた運転手に「うち殺すぞ（ぶち殺すぞ）」などと暴言を吐き、助手席を蹴った。運転手から被害届の提出を受けた県警は、井手氏を脅迫容疑で書類送検していた。これらの問題を受け、井手氏は23年1月に県議を辞職している。

　井手氏は4月の県議選に、熊本市2区から無所属で立候補予定。井手氏は15日、毎日新聞の取材に「不祥事が続き深く反省している。選挙を通じて改めておわびした上で政策を訴え、有権者の判断を仰ぎたい」と述べた。【中村園子、野呂賢治】