ウクライナ軍、東部の要衝で苦戦 「公式発表よりはるかに悪い」

　ロシア軍は1日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトへの攻撃をさらに強化し、現地では激しい攻防が続いた。ロイター通信などが伝えた。ロシア側は一方的に併合を宣言した同州の全域掌握に向けた「足掛かり」としてバフムト攻略を狙っており、苦戦を強いられたウクライナ軍が撤退する可能性も出てきた。

　ウクライナのロドニャンスキー大統領顧問も2月28日、米CNNテレビに「ウクライナ軍は必要であれば戦略的に撤退する」と苦戦を認め、近くバフムトを撤退する可能性を示唆した。

　ロドニャンスキー氏は、ロシア側が民間軍事会社ワグネルの中でも「最もよく訓練され、経験のある部隊」を投入していると指摘。「私たちは無駄に人命を犠牲にすることはできない」と述べ、犠牲者を増やさないために撤退を検討しているとの点を強調した。

　また、CNNはバフムトで戦闘に従事するウクライナ軍兵士の声として、「ウクライナ軍の状況は、公式に発表された話よりはるかに悪い」との内情も伝えた。【ロンドン篠田航一】