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ウクライナ東部前線 ロシア軍、一部地域で前進か 英国防省分析


 ウクライナ侵攻で苦戦を強いられてきたロシア軍だが、2月上旬からウクライナ東部で攻勢に出ている模様だ。英国防省は10日、ロシア軍が一部地域で前進に成功したとの分析を発表。侵攻開始から1年を迎える24日に向け、大規模な攻勢を仕掛けるのかも注目されている。

 英国防省の情勢分析は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の部隊が7日以降、ウクライナ東部ドネツク州北部にあるバフムト近郊の前線を2~3キロ前進させたと指摘。1月下旬から攻撃を続けている同州南部ブグネダルの近郊でも、ロシア軍が支配地域を拡大したと見立てている。

 インタファクス通信によると、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は10日、ドネツク州などを中心にして、ウクライナ軍の戦車や装甲車、りゅう弾砲などを破壊し、125人のウクライナ兵を殺害したなどと発表。具体的な前線での前進には触れていないが、ドネツク州での戦果を印象づけている。

 一方、米国のシンクタンク「戦争研究所」は8日、ロシア軍がドネツク州に隣接するルガンスク州を直近の最大の攻撃目標に定め、攻撃を始めた公算が大きいとの分析を発表した。州西部のスワトボとクレミンナを結ぶ地域に3師団を投入し、攻撃を活発化させているとの見方も示している。

 ロイター通信によると、ルガンスク州の知事はテレビ放送で、ロシア軍がウクライナ東部で攻撃を激化させており、クレミンナ付近のウクライナの防衛線の突破を図っているとの見解を表明。このラインが破られれば、ドネツク州中部の主要都市クラマトルスクに進軍される恐れも出てくるという。戦争研究所は9日の情報分析でも、スワトボとクレミンナを結ぶ地域が攻撃にさらされ続けていることをあげている。

 ロシア軍ではウクライナ侵攻を開始した初期の段階から、人員不足の問題点が取り上げられてきた。そのため非正規部隊であるワグネルが受刑者を徴兵して前線に送り込むなどして、戦力不足を補ってきたといわれてきた。

 ワグネルの創設者プリゴジン氏は9日、通信アプリ「テレグラム」で、すでに受刑者を部隊に徴集することをやめたと明かした。これはロシア軍が2022年秋以来続けてきた動員により、兵力を整えてきたことの裏返しとも見てとれそうだ。最近になりロシア軍がドネツク州バフムトなどの前線を前進させている背景には、正規軍の兵力を充実させてきたことがあるとも指摘されている。

 2月に入ると、ウクライナ軍の関係者らはロシアが侵攻開始から1年の節目に向け、大規模な攻勢に出る可能性を取り上げている。一方で英国防省は9日の戦況分析で、今後3月半ばぐらいまでウクライナの前線の地表がぬかるんでくるとみられており、ロシア、ウクライナ双方の指揮官が大規模な攻勢を避ける公算が大きいとしている。それでもロシアが前年にウクライナ侵攻に踏み切ったように、政権トップが判断した場合には悪い条件の下でも大規模な攻勢を始める可能性が捨てきれない点にも触れている。【モスクワ大前仁】

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