東芝の経営再建に向けた買収提案を巡り、メインバンクの三井住友銀行らで構成する銀行団は9日までに、優先交渉権を得ている日本産業パートナーズ（JIP）陣営に、総額1兆2000億円の融資を約束する文書「コミットメントレター」を出した。出資も含め買収額は全体で約2兆円規模にのぼるとみられる。
JIPは東芝に買収の最終提案をした。東芝側は経営再建の選択肢として最良かどうか取締役会で判断する。
銀行団が融資を約束した金額は、三井住友銀とみずほ銀が各5000億円前後。三井住友信託銀、三菱UFJ銀、あおぞら銀もそれに続く。これとは別に、JIPが買収した後の運転資金として設定した2000億円の融資枠（コミットメントライン）も設ける。
JIPはオリックスやローム、中部電力など約20社にも出資を募り、計約1兆円を確保した模様だ。
東芝は2022年4月に社外取締役による特別委員会を設置し、物言う株主が求めてきた非上場化（買収）を含む経営再建策を公募した。官民ファンドの産業革新投資機構（JIC）や米ベインキャピタルらが応募し、同9月末の2次提案締め切り後に優先交渉権を得たJIPが、銀行団と融資条件に関する交渉を進めていた。関係者によるとJIP陣営は、最短で3年後の再上場を目指すという。【中島昭浩】
大谷翔平・野球ニュース