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大村秀章知事が失った32万票「不満の表れ」 分析・愛知知事選


 5日に投開票された愛知県知事選は現職の大村秀章氏(62)が4選を果たし、2位の候補に約120万票差をつける圧勝だった。だが、大村氏自身、前回選より得票数を約32万減らし、得票率は83・3%から67・5%と15・8ポイント減少した。今回の結果について専門家は「現職に対する不満が前回より広がっている」と指摘。共産推薦候補との一騎打ちが続いたこれまでと異なり、現職の対立候補が5人に増えたことで、不満の受け皿として他候補に票が流れたと分析する。

 大村氏は選挙のたびに得票を伸ばしてきた。初当選した2011年は既成政党との対決姿勢を明確にし、政党が推薦する候補者4人を退けた。得票率は50%だったが、その後、2回の選挙は共産推薦の候補者との一騎打ちとなり、いずれも得票率は80%を超えた。

 19年選挙で共産推薦候補の得票数は約35万(得票率16・7%)だったのに対し、今回、共産の推薦を受けた政治団体役員、尾形慶子氏(65)は約25万と10万票減らし、得票率も11・7%と下がった。一方で他の4候補で計約44万7000票を獲得し、得票率は計約21%に達した。

 名城大学の昇秀樹教授(行政学)は「大村さんには反対でも共産党は嫌という人にとって前回は不満をぶつける受け皿がなかった。今回は共産推薦候補以外に4人の候補がいたので、県政への不満票がそちらに回った」と分析する。

 大村氏を支援した自民党県議の一人は、選挙に初めて出た候補者が8万~10万票を獲得したことに「驚いた」とし「無視はできない数字。統一選に向けて引き締めが必要だ」と警戒感を示した。

 大村氏は今回の選挙結果をどう見ているのか。当選から一夜明けた6日、記者団の取材に応じ「行動制限をお願いした新型コロナウイルス禍で県民に鬱屈した不満がたまっており、批判票という形で他候補へ分散したのではないか」と分析した。

 一方、投票率は36・43%と過去5番目の低さで、40%を下回るのは15年から3回連続となった。大村氏は「なかなか厳しい数字」とし、選挙が受験シーズンに重なっていることを挙げ「受験を控えた18歳、19歳の有権者が選挙に行けと言われ、真面目な子ほど悩む」と不満を漏らした。

 一時は大村氏の対立候補擁立を模索した、地域政党「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長は5日夜、大村氏の当選確実が出た後に記者団の取材に応じ、「減税で候補者を立てられず申し訳なかった。もし立てていれば相当ええ試合になった」と述べ、擁立していれば投票率もアップしたとの見方を示した。【加藤沙波、酒井志帆、川瀬慎一朗、藤顕一郎】

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