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「有権者の反応冷たかった」 愛知知事選、大村氏4選に厳しい目


 愛知県知事選は現職の大村秀章氏(62)が圧倒的な大差で4選を決めた。だが、投票率は今回も40%を下回るほど低く、多くの有権者が棄権した。現職に対し、5人もの新人が異を唱えて立候補するのは初のケースでもあった。大村氏は信任を得たと慢心することなく、声なき声に耳を傾けることが必要だ。

 選挙戦は3期12年の大村県政の評価が最大の争点となった。しかし、候補の多くは、芸術祭「あいちトリエンナーレ」を巡る大村氏の対応への批判や新型コロナウイルスワクチンの是非などを強調したため、大村氏の政策全般の是非にまで議論は広がらなかった。

 自民党を離党した元衆院議員の大村氏は2011年、既成政党との対決姿勢を明確にして初当選した。その後は一転し、オール与党体制の支援を受けて当選を重ねてきた。大きな失政もなく、今や県議会や県庁内で大村氏を批判する声はほとんど聞こえてこない。

 そんな大村氏を支援する自民県議が選挙期間中に漏らした一言が印象的だった。「これまで支援してくれた人に投票をお願いしても反応は冷たかった。かつてない風当たりの強さを感じた」。取材でも、周囲から批判の声が出ない「強い知事」に対する不満の声を有権者から聞いた。

 大村氏は愛知県の強い財政力を背景に、大型事業を次々に打ち出してきた。しかし、350億円を投じて19年に開業した県国際展示場(常滑市)の稼働率は21年度実績16・5%と、他県に比べてコロナ禍からの回復が遅れている。340億円をかけて整備を続けている「ジブリパーク」(長久手市)も将来にわたって収益が見込めるかは未知数だ。他にも課題が山積している。

 当選を確実にし「県民とさらに前進したい」と4期目の抱負を語った大村氏。有権者から厳しい目が向けられていることを忘れてはならない。【酒井志帆】

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