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大村氏、組織力の差で圧倒 SNS発信にしたたかさも 愛知県知事選


 5日に投開票された愛知県知事選は、共産を除くオール与党体制の手厚い支援を受けた現職の大村秀章氏(62)が新人5人を退けて4選を確実にした。6人が乱立した選挙は、大村氏が組織力に物をいわせた“物量作戦”で他候補を圧倒した。

 「皆の力で当選を果たせた。心からお礼を申し上げたい。率直にありがたく、うれしい気持ちでいっぱい」

 午後8時過ぎ、早々に当選確実の一報を受け、喜びを語る大村氏の周囲には祝福に駆けつけた多数の現職国会議員、県内自治体の首長、議員の姿があった。

 山村・離島から都市部まで、大村氏は選挙カーや地下鉄など交通機関を使って県内54市町村をくまなく回った。分刻みのスケジュールを組み、朝~夕は毎日10カ所ほどで街頭演説し、夜は支援者らを対象にした個人演説会の会場を3~4カ所はしごした。街頭演説では大村氏を推薦する立憲民主、公明、国民民主、自民県連の各党議員や市町村長が入れ代わり立ち代わり応援のマイクを握った。

 候補者のポスター掲示板は県全域で約1万2000カ所設置された。組織を持たない候補者の一人は「予算的に1400枚を印刷するのがやっとだった」と明かし、選挙最終日の4日にもポスター張りをした。一方、大村氏の陣営は300を超す各種団体が分担し、選挙戦初日に全てのポスターを張り終えた。

 各候補者が積極的に活用したのがSNS(ネット交流サービス)。大村氏は13万人のフォロワーがいるツイッターに毎日、街頭演説、個人演説会の写真を添え、「○○市長、○○議員から激励いただきました」などと投稿した。他の候補者もツイッターで自らの主張を発信したが、いずれもフォロワー数は数百~3万人と大村氏とは大きな差があった。

 大村氏のSNS発信にしたたかな戦略を見て取るのは、愛知学院大の森正教授(政策過程論)だ。森氏は「大村さんはツイッターで全ての首長、議員の名前を出しているが、これは支えてもらっている各市町村の首長や議員への気遣いや配慮と同時に、どれだけ票が出るか『見ているぞ』と引き締めを図るメッセージにも読める」と指摘。「こうしたことができるのも大村さんが3期12年で盤石な支持基盤を築き上げた努力の結果であり、強さでもある」と分析している。【酒井志帆、川瀬慎一朗、田中理知】

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