全国で相次ぐ一連の広域強盗事件を巡り、警察庁の露木康浩長官は2日の定例記者会見で、関与が疑われる容疑者グループによる特殊詐欺被害が計60億円以上に上ることを明らかにした。これまで警察当局は、2018年11月～20年6月ごろに全国で約2300件確認され、約35億円がだまし取られたと説明していた。その後の捜査で、被害が拡大していたことが分かったという。これまでに約70人を検挙した。
広域強盗事件で指示役だった「ルフィ」などと名乗る人物の可能性があり、現在はフィリピンの入管施設に拘束されている渡辺優樹（38）ら4容疑者はこのグループの幹部だったとみられる。露木氏は早期の日本への送還に向けて調整しているとした上で、「速やかに4人を逮捕できるように捜査員の派遣の準備を進めている。4人が（広域強盗事件を）首謀したのかを含めて、全容解明に向けた捜査を進めている」と強調した。
このグループは、SNS（ネット交流サービス）で「闇バイト」などと投稿して実行役を募っていた疑いがある。露木氏は「SNS上で闇バイトを募集して、応じた者を強盗や窃盗などに加担させる新たな手口が拡大しないように警戒していく必要がある」とも指摘した。【松本惇】
大谷翔平・野球ニュース