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桶川ストーカー殺人事件 民事訴訟の資料、さいたま地裁が廃棄


 埼玉県桶川市で1999年に女子大生の猪野詩織さん(当時21歳)が殺害された「桶川ストーカー殺人事件」を巡り、両親が県に損害賠償を求めた民事裁判の記録をさいたま地裁が2012年2月に廃棄していたことが1日、地裁への取材で判明した。記録を永久的に残す「特別保存」の対象としておらず、地裁は「保存期間が満了したため廃棄した」としている。

 廃棄されたのは、県警が捜査を怠ったために殺害されたとして、両親が県に約1億1000万円の損害賠償を求めた民事裁判の記録。03年の地裁判決は「捜査の怠慢があった」として両親の主張を一部認め、慰謝料など550万円の支払いを命じた。

 事件を巡っては警察の不適切な対応が大きな問題となった。執拗(しつよう)なつきまとい行為を法規制する必要性も認識され、00年にストーカー規制法が制定されるきっかけになった。

 最高裁の通達や裁判所の内規では、社会の注目を集めた事件や史料的価値の高い事件は「特別保存」の対象とし、永久保存するよう各裁判所に指示しているが、地裁は対象としていなかった。裁判記録を巡っては、97年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件をはじめ、重大な少年事件や民事裁判の記録廃棄が各地の裁判所で相次いで発覚している。

 猪野さんの父親の憲一さん(72)は毎日新聞の取材に「私個人の問題というよりも、国民がどう思うだろうか。法改正につながった事件の公的資料が抹消されたことに大きな怖さを感じる」と語った。【成澤隼人】

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