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昼食で50キロ移動 知床の「ランチ難民」解消に漁業者の妻ら一肌


 旅行の楽しみの一つは、その土地ならではの料理に舌鼓を打つこと。ところが新鮮な海鮮料理を期待して知床を訪れたバスツアーに異変が起きている。北方領土関係の修学旅行が数年前から急増したことで、ツアー中に昼食を食べられない「ランチ難民」が問題になっているという。解消に向けて漁業者の妻たちが2月中旬から団体客向けの「浜の母ちゃん食堂」を不定期で始める。

 「お昼はご自由にお取りください」。昨年10月の北海道旅行で知床に立ち寄った際、そう言われて横浜市の70代の夫婦はとまどった。下車時にバスガイドから飲食店マップを受け取ったものの、正午を過ぎて昼食のピーク時だけに、どの店も旅行者らで満員。「仕方なくコンビニでおにぎりを買って食べました。知床だからおいしい海の幸が食べられると思っていただけに残念」と振り返る。

 意外と思われるかもしれないが、知床は大型バス1台分の団体客に食事を提供する飲食店が少ない。旅行代理店やバス会社が運行日程を多少ずらしても、2回転させるのがせいいっぱい。仕方なく羅臼から50キロも離れた標津町や80キロ以上の斜里町中心部で昼食を取る団体バスもあるという。ここ数年、北方領土関係の修学旅行が増えたことも影響し、特に5~7月と9~11月は「ランチ難民」が発生していた。

 現状を解消できないか、と「働き者」で料理上手として知られる漁業者の妻たちが立ち上がった。名づけて「浜の母ちゃん食堂」。昨年12月には、試食会も開かれ、スケトウダラの湯煮、サメガレイの煮付けなど、取れたばかりの新鮮な海の幸の料理が披露された。田中郁子代表(71)は「タラのチュウ(胃袋)のとも和(あ)えなど、羅臼ならではの料理を提供したい」と話す。

 場所は羅臼港に面した羅臼漁協の1階。数年前まで職員食堂として使われており、大型バス1台分(40人)は腰掛けられるテーブルや椅子はそのまま残っている。大型バス1台分の観光客を収容できるという。【本間浩昭】

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