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トランプ氏、米大統領選へ始動=逆風下、序盤戦州で演説


 【ワシントン時事】トランプ前米大統領は28日、東部ニューハンプシャー州と南部サウスカロライナ州を相次いで訪れ、2024年の大統領選に向けた演説を行った。昨年11月の出馬表明後、本格的な選挙活動は初めて。党内の離反が進み、司直の手も迫る逆風の中、「共に再び米国を偉大にしよう」と支持を呼び掛けた。  両州は共和党の候補者指名争いの序盤戦が行われる州。全体の流れを決めるため、各候補者が積極的に活動する州として知られる。トランプ氏はバイデン政権下の移民流入や犯罪増を批判し、「米国のため、左派や既得権益層、中国に対し立ち上がる」と訴えた。  トランプ氏は現在、共和党で立候補を表明済みの唯一の候補者だ。21年1月の連邦議会襲撃後に凍結されたツイッターやフェイスブックのアカウントが最近になって解除され、発信力を強めるとみられる。  だが、トランプ氏は共和党が苦戦した中間選挙の「戦犯」と見なされている。サウスカロライナの集会には、同州前知事で大統領への出馬を検討するヘイリー元国連大使ら有力者が姿を見せなかった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、今月の共和党全国委員会(RNC)冬季大会に出席した党関係者168人のうち、トランプ氏を明確に支持したのはわずか4人。20人は不支持を表明し、その他は態度未定とした。  支持基盤だったキリスト教福音派が態度を保留しているほか、保守系団体「クラブ・フォー・グロース」の離反も伝えられた。共和党の新星として注目を集めるフロリダ州のデサンティス知事との一騎打ちを想定した各種世論調査では、トランプ氏が後塵(こうじん)を拝する結果も少なくない。  トランプ氏は、大統領退任後の機密文書持ち出しや20年大統領選の敗北を覆そうとした言動を巡り、特別検察官らの捜査を受けている。今後刑事訴追される可能性もあり、指名争いの行方は霧の中だ。 【時事通信社】 〔写真説明〕28日、米南部サウスカロライナ州コロンビアで演説するトランプ前大統領(AFP時事)
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