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米欧関係、仕切り直し=中国、「デカップリング」に警戒感


 【北京時事】新型コロナウイルスの感染爆発や景気低迷に苦しむ中国が、米欧との関係の仕切り直しを図っている。2月以降はブリンケン米国務長官やマクロン仏大統領の訪中が予定される。習近平指導部は米主導による経済・先端技術分野の「デカップリング(分断)」に警戒感が強く、攻撃的な「戦狼外交」も抑制気味だ。  ブリンケン氏は2月5、6両日に訪中し、秦剛外相と会談すると報じられている。台湾情勢やロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮問題などを協議する見通しで、習国家主席と会う可能性もある。  中国共産党機関紙系の環球時報は18日、欧米メディアの見立てを借りて「米中関係に(緊張)緩和の兆しが見られる」と指摘。米中間選挙が終わり、米中両国がコロナ禍からの経済立て直しに動き始めた現在は「協力に最高のタイミング」であり、今年の米中関係の基調は「持続的な競争とリスク管理」だと強調した。  中国では3年近く続いた「ゼロコロナ」政策や感染拡大に伴う経済の落ち込みが続く。景気回復を優先課題とする習政権は、当面は米国との関係安定化を目指す構えだ。  習氏は昨年10月、共産党総書記として3期目入りした直後から、コロナの影響などで停滞していた外交を急ピッチで再開。特に、新疆ウイグル自治区や香港の人権弾圧などを巡り対立した欧州との関係改善に乗り出している。  習氏は11月、ドイツのショルツ首相と北京で会談。バイデン米大統領が唱える「民主主義国と権威主義国」の対立構図を念頭に、ショルツ氏から「陣営対立に反対する」との発言を引き出した。12月には欧州連合(EU)のミシェル大統領とも北京で協議し、ウクライナ情勢を巡る「核の脅威への懸念」で一致。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、マクロン氏もショルツ氏と同様に、習氏との会談を通じ「デカップリングへの反対」を表明するとみられている。  相次ぎ訪中した欧州首脳は、いずれも中国側が招待したとされる。習氏としては「分断」や「核」への反対といった足並みをそろえやすい分野で協調を誘い、対中包囲網を仕掛ける米国と欧州の連携を揺さぶる思惑がありそうだ。 【時事通信社】 〔写真説明〕中国の秦剛外相=15日、カイロ(EPA時事) 〔写真説明〕ブリンケン米国務長官=20日、シカゴ(AFP時事)
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