ケチャップで飢えしのぐ＝カリブ海漂流２４日―コロンビア

　【サンパウロ時事】ヨットで潮に流され、一人でカリブ海を２４日間にわたり漂流していた男性が、南米コロンビア沖で救助された。コロンビア海軍が１８日発表した。船内にはケチャップ１瓶とニンニクパウダー、固形ブイヨンしかなく、男性は１月近くにわたりそれらを水に溶かした「スープ」で飢えをしのいだという。 　この男性はオランダ自治領シントマールテン在住のドミニカ人エルビス・フランソワさん（４７）。昨年１２月、シントマールテンの港でヨットを修理中に悪天候のため外洋に流された。操船のやり方が分からず、携帯電話も圏外。船が沈まないよう浸水をかい出すほかは、じっと座って救助を待っていた。 　何度も近くを航行する船に助けを求めたが、気付いてもらえなかった。あきらめかけていたが、１月１５日、上空を通過した飛行機が甲板の「助けて」という文字を確認してコロンビア海軍に通報。間もなく救助された。 　フランソワさんは「２４日間、陸は見えず、話す人もいなかった。何をすべきか、どこにいるか分からないのはつらかった。一時は望みを失った」と遭難を振り返った。「どうやって生き延びられたのかは分からないが、今ここにいる。（救出に関わった）すべての方に感謝する」と語っている。　【時事通信社】 〔写真説明〕カリブ海を２４日間漂流し、救助されたエルビス・フランソワさん（中央）＝コロンビア海軍のツイッターより