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死亡受刑者に「暴行・拘束の痕」=名古屋刑務所、遺族が調査求め


 名古屋刑務所で昨年3月、男性受刑者=当時(71)=が死亡し、遺体に暴行や拘束されたような痕があったとして、遺族側が法務省に死亡経緯を調査するよう申し入れたことが12日、分かった。遺族側が東京都内で記者会見し明らかにした。  遺族代理人の海渡雄一弁護士によると、男性は暴行罪で服役していた。昨年4月の出所予定だったが、同2月、刑務所から遺族に「心筋梗塞による多臓器不全で容体が急変する可能性がある」と連絡があり、同3月に死亡した。  遺体を引き取った遺族が確認したところ、全身に切り傷やあざが多数あったほか、手首や腰、両足に締め付けられたような痕も見られた。遺族から連絡を受けた愛知県警豊田署が司法解剖して調べ、殺人事件として容疑者不詳で書類送検。名古屋地検岡崎支部が同5月に不起訴処分としたが、詳細は明らかになっていないという。  名古屋刑務所では昨年8月までの約10カ月間に、刑務官22人が40~60代の受刑者3人に暴行していた疑いが判明。法務省が調査するとともに、第三者委員会を設置し再発防止策を検討している。  会見した男性の弟(67)は「傷を見たら誰もがおかしいと思う。真実を明らかにしてもらわないと、兄が浮かばれない」と訴えた。  法務省矯正局の話 死亡した際、医師立ち会いの下で規則に基づき、検視を行うなど適切に対処していると承知している。 (了)【時事通信社】
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