首都治安責任者の拘束命令＝大統領「資金源突き止める」―ブラジル

　【サンパウロ時事】ブラジルの首都ブラジリアで選挙結果に不満を持つ右派ボルソナロ前大統領支持者らが連邦議会など三権の長の庁舎を襲撃した事件で、最高裁は１０日、治安維持の職務を怠った疑いでブラジリア連邦直轄区のトレス前公安局長に対する拘束命令を出した。ボルソナロ政権下で法務・公安相を務めたトレス氏は２日に就任したばかりだが、８日の襲撃事件直後に責任を問われて解任された。報道によると、７日に米国に向けて出国している。 　支持者の多くは遠方から貸し切りバスなどを利用してブラジリアに集結。当局が背後関係を追及している。ルラ大統領は９日夜、「（襲撃の）資金源を必ず突き止める」と強調した。現在米国に滞在中のボルソナロ氏の関与を疑う声が出ているが、長男のフラビオ上院議員は１０日、「（前）大統領は選挙後は沈黙を守り、引っ込んで傷を癒やしている」と述べ、疑惑を改めて否定した。　【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジルのトレス前法務・公安相（左）とボルソナロ前大統領＝２０２２年６月、ブラジリア（ＡＦＰ時事）