特定秘密漏えいで再発防止委＝今年度内に改善策―防衛省

　海上自衛隊の１等海佐が、特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を海自ＯＢに漏らしたとして懲戒免職となった問題で、防衛省は２７日、再発防止検討委員会の初会合を開いた。情報管理の問題点を検討し、今年度内にも具体的な改善策をまとめる方針。 　委員会のメンバーは事務次官や各幕僚長らで構成。初会合で委員長の井野俊郎防衛副大臣は「日米同盟や防衛力に情報保全は不可欠。事態を深刻に受け止め、国民の信頼を取り戻す」と述べた。　 　１佐は情報を扱う部隊の指揮官だった２０２０年３月、かつての上司で既に退職していた元海将の求めに応じて周辺情勢などを説明した際、特定秘密に含まれる情報を伝えた。１佐は「（元海将を）畏怖していた」と話しており、ＯＢが退職後も隊員と接触を続けることや、現役時の上下関係が継続することなどの問題点が指摘されている。 　酒井良海上幕僚長は２７日の定例会見で「隊員意識に甘さが残っていた。防衛力を強化する中で、甘えや言い訳は許されず、意識改革の転換点とする」と再発防止を誓った。（了）【時事通信社】