押収の鈍器に血痕なし＝容疑者、拭い取ったか―飯能３人殺害・埼玉県警

　埼玉県飯能市美杉台の民家で３人が殺害された事件で、無職斎藤淳容疑者（４０）＝殺人未遂容疑で逮捕＝の自宅から押収された凶器とみられる鈍器には血が付いていなかったことが２７日、県警への取材で分かった。 　県警は同日午前、殺人容疑に切り替えて斎藤容疑者を送検した。３人を襲撃後、血を拭い取った可能性もあるとみて、詳しい経緯や動機を調べる。同容疑者は調べに対し、「言いたくありません」と供述を拒んでいるという。 　県警によると、死亡したのはこの民家に住む米国籍の無職ビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん（６９）と妻の森田泉さん（６８）、長女の会社員森田ソフィアナ恵さん（３２）＝東京都渋谷区。司法解剖の結果、ビショップさんの死因は首を強く殴られたことによる頸髄（けいずい）損傷だった。 　事件は２５日朝に発生し、斎藤容疑者は同日夜、現場近くにある自宅２階の部屋で身柄を確保された。その際、部屋のドアが開かないよう、内側に金属製の棚を置いて抵抗。警察官が無理やり開けて取り押さえた。県警はその後、複数の鈍器を押収したが、いずれも血は付いていなかった。 　ビショップさん夫妻は民家の庭で、長女は玄関付近で倒れているのが見つかった。夫妻の遺体の損傷が激しく、県警は夫妻に強い恨みがあったとみている。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕送検のため埼玉県警狭山署を出る斎藤淳容疑者（中央）＝２７日午前、埼玉県狭山市（一部画像を処理しています）