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特定秘密管理、甘さ露呈=OBと接点、分野も拡大―「情報担当者」漏えい・防衛省


 海上自衛隊の1等海佐がOBに「特定秘密」を漏えいした問題は、「元身内」との線引きに甘さを残す組織の問題点を浮き彫りにした。「情報業務に4年も従事し、十分な知識がありながら、正常な判断ができなかった」。酒井良海上幕僚長は記者会見で釈明したが、現役隊員が退職したOBとの上下関係に縛られていた格好で事態は深刻だ。  情報提供を依頼したのは、自衛艦隊司令官を務めた元海将。海自の情報部隊に所属していた1佐は部下だった時期があり、「畏怖の念を抱いていた」という。特定秘密の開示要求はなかったが、1佐は「通り一遍ではない情報で、興味関心を得よう」としており、特別な配慮がうかがえる。  OBと現役隊員の接点は多い。再就職先が防衛産業などの関係先だったり、安全保障情勢への関心の高まりで評論や講演活動をする人が増えたりしているからだ。OBの求めに応じ、隊員が説明することは珍しくないという。  酒井海幕長は「見識ある元幹部に自由な立場で防衛を論じてもらうのは自衛隊にとっても有益。ただ、退職後は機密情報に触れる権利を失う。線引きは必要だ」と話した。もっとも、隊員からは「在職時の意識で簡単に情報が得られると思っている人もおり、頼みを断るのは容易でない」との声も漏れる。  ある幹部は「その情報に触れるトップが壁になるしかない」と話す。今回のケースでは、元海将からの依頼を知った上司が、公開情報を扱う部署に引き継ぐべきだったとする。  防衛省の特定秘密は年々増え、今年6月末時点では392件に上る。米国から提供された装備品に関する「特別防衛秘密」など、他の機密も重要性を増す。同省幹部は「『身内意識』はもう許されない。徹底的に見直すべきで、そうすれば働きやすくなる現職も多いはずだ」と話している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕護衛艦の甲板に整列する海上自衛隊員(資料写真)
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