アフガン、神学校からも女性排除＝タリバン、大学に続き通達

　【ニューデリー時事】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が、マドラサ（イスラム神学校）での女性教育の停止を命じたことが２１日、分かった。首都カブールの複数のマドラサに通う生徒や教師が時事通信の取材に明らかにした。欧米各国や国連の批判を浴びた大学教育からの締め出しに続き、女性の教育機会がさらに制限された形だ。 　この生徒や教師によると、暫定政権の巡礼・宗教省から２０日、少女や成人女性がマドラサで学ぶことを認めないとの内容の書簡が届いた。マドラサは原則として男女別学。アフガンでは近代教育制度下の各種学校とは切り離されているが、聖典コーランの内容だけでなく、外国語など一般科目を教えることもある。 　暫定政権の高等教育省は２０日付の書簡で、理由を明らかにせずに「追って通知があるまで全ての大学で女子への教育が停止される」と発表した。タリバンは既に、日本の中学校や高校に相当する中等教育学校への女子の通学を禁じており、女子に残された教育機会は初等教育のみとなっていた。 　カブールの私立大学の門前では２１日、女子学生が集まり、抱き合って慰め合ったり、停止令に抗議したりする様子が見られた。国連アフガン支援団（ＵＮＡＭＡ）のオトゥンバエワ事務総長特別代表は停止令について「女性にとってだけでなく、広くアフガン全体に有害。事実であれば壊滅的だ」と批判した。　【時事通信社】