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国際支援の陰で汚職懸念=武器流用や着服の疑いも―有識者ら「監察機関設置を」・ウクライナ


 【キーウ時事】ロシアの侵攻長期化に伴い膨大な国際支援が流れ込むウクライナで、供与された武器や物資、支援金が適切に管理されず、一部が私腹を肥やすために使われるとの懸念も浮上してきた。ウクライナはかねて、政財界や司法の腐敗が批判されてきた。近年の対策で改善も見られるが、戦時の混乱に紛れ不透明な部分も多い。国内外からは「独立した監察機関の設置が急務だ」という声が上がっている。  ◇内なる敵  「ロシアは外なる敵だが、汚職は内なる敵だ」。反汚職のNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」のオレクサンドル・カリテンコ氏はこう力を込める。  ドイツのキール世界経済研究所によると、欧米や日本など各国がウクライナに約束した軍事・財政・人道支援は、11月20日時点で総額約1130億ユーロ(約16兆円)に上る。  トランスペアレンシーによる2021年の汚職レベル調査で、ウクライナの「清潔度」は180カ国中122位。同国政府は14年以降、汚職撲滅に向け専門捜査機関設置などの対策を進めてきたが、「根絶への道のりは長い」(カリテンコ氏)のが現状だ。  ◇消えた武器  地元メディアは先月末、外国人部隊に所属する兵士30人以上の証言として、国際社会から供与された小火器や装備品が倉庫から消えていると報じた。ヘッドライトを消した民間の自動車が銃などを積み込み、持ち去ったとの証言もあった。  ウクライナ政府高官は「ウクライナをおとしめるロシアのプロパガンダだ」と一蹴。戦闘が続く中の出来事でもあり、横流しの証拠はない。ただ、欧州の外交筋は「供与した武器がどう使われているか追跡するのは困難で、不適切な行為があっても不思議ではない」と懸念を口にする。  世界中から集まった寄付金や物資が、支援対象者に届いていないケースも存在する。ある国際慈善団体の幹部は「一部の活動を小さなNGOに『外注』しているが、中には怪しげな団体もある」と指摘。「活動資金の着服が疑われる事例もある」と明かす。  ◇生まれ変わる好機  多額の国際支援が投じられたアフガニスタンでは、米政府が資金の使途に目を光らせる特別監察官を設置した。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンチアン上級顧問は「まずはウクライナにも特別監察官を置くべきだ」と声を上げる。  復興段階に入れば、さらなる国際支援の流入が予想される。ウクライナのNGO「汚職防止行動センター」のヴィタリ・シャブニン氏は「支援金が政府に直接渡れば、間違いなく汚職の温床になる」と警告。「国際社会の信頼を失い支援が途絶えれば、ウクライナは終わる」として、欧米の監査を受け入れるか、復興資金を管理する基金をつくるべきだと訴える。  一方、戦争は新たな機会ももたらした。汚職の一因だったウクライナの新興財閥(オリガルヒ)の資産を破壊し、政治的影響力を弱体化させたからだ。シャブニン氏は「戦争はウクライナが腐敗を一掃し、生まれ変わる大きなチャンスでもある」と語っている。 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ南東部マリウポリからの避難民を支援するために集まった国際支援物資の山=7日、キーウ(キエフ) 〔写真説明〕反汚職NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」のオレクサンドル・カリテンコ氏=9日、キーウ(キエフ)
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