海保予算、２７年度１．４倍に＝尖閣対応踏まえ、強化方針策定―政府

　政府は１６日、海上保安体制強化に関する関係閣僚会議を開き、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の航行が常態化していることなどを踏まえ、強化方針を策定した。海上保安庁の予算を２０２７年度に２２年度当初の約１．４倍に当たる３２００億円に増額することや、自衛隊との連携強化を盛り込んだ。 　海保の２２年度当初予算は２２３１億円で、段階的に拡大し、２７年度に１０００億円程度増やす方針だ。具体的には、中国海警局の船が大型・武装化していることから、海保の巡視船の体制を大幅に拡充する。　 　さらに、日本が外国から攻撃を受ける武力攻撃事態に備え、防衛相が海保を指揮下に置く際の手順を定めた「統制要領」の策定や、自衛隊との共同訓練を進めることも明記した。 　このほか、外国の海上保安機関との協力関係の深化や、大型無人航空機を活用した監視能力の強化なども盛り込んだ。 　政府は２７年度に、防衛費に海保予算などを含む関連経費を合わせて、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）諸国の目標と同様の、国内総生産（ＧＤＰ）比２％に達するよう予算措置を講じたい考えだ。（了）【時事通信社】