沖縄県の敗訴確定＝辺野古移設裁決巡り―最高裁

　米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古移設を巡り、国土交通相が県による埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたのは違法として、県が裁決取り消しを求めた訴訟の上告審判決が８日、最高裁第１小法廷であり、山口厚裁判長は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。 　県は２０１８年、軟弱地盤が見つかったことなどから埋め立て承認を撤回。沖縄防衛局の不服審査請求を受け、国交相が１９年、撤回を取り消す裁決をした。 　第１小法廷は、国の裁決を不服とした県の訴訟提起を認めれば、防衛局が不安定な状態に置かれ、迅速な紛争解決が困難な事態が生じることになると指摘。「県が訴訟によって裁決の適法性を争うことは認められないと解すべきだ」とした。　 　一審那覇地裁は、「自己の権利の保護、救済を求めるものではなく、法律の適用が適正かどうかなどを問うもので、裁判の対象にならない」として訴えを却下。二審福岡高裁那覇支部も一審の結論を支持していた。 　玉城デニー沖縄県知事の話　非常に残念で、到底納得できない。国と地方自治体はあたかも上級・下級の関係にあると言わんばかりの判断だ。判決内容を精査し、対応を検討していく。（了）【時事通信社】