霊感商法、団体幹部に賠償命令＝「不安や恐怖あおり違法行為」―東京地裁

　「スカイキングダム」と称する団体に霊感商法で財産を奪われたとして、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）元信者の女性と娘が、韓国籍の団体幹部２人に計約８７５０万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁の品田幸男裁判長は７日、「不安や恐怖をあおり、違法行為を行っていた」と認め、請求通り全額の賠償支払いを命じた。 　判決によると、団体幹部らは「ハラボジ」などと呼ばれる韓国人男性を教祖とし、２０１６年ごろから東京都目黒区のビルを拠点に約３０人で活動。財産に悪い霊がつくと教え、財産拠出を絶対の価値観としていた。 　女性は同年７月、旧統一教会信者だった知人を通じて勧誘され、寄付は２カ月間で夫の退職金約４３００万円、夫婦の預貯金約３２００万円、生命保険の解約などで計約８０００万円に上った。 　品田裁判長は判決で「ハラボジの占いを受けさせて不安や恐怖をあおり、絶対的な教えとして過大な金銭の拠出を強要し、資金獲得に無償労働を強いていた」と指摘。その上で「社会的相当性を逸脱する違法な行為を行っていた集団だった」と結論付けた。　 　旧統一教会の霊感商法問題を受け、被害者救済新法案が国会で審議されている。（了）【時事通信社】