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5点の衣類、犯行着衣か否か=弁護側「不自然な血の赤み」―袴田事件、再審請求差し戻し審


 「袴田事件」の再審請求差し戻し即時抗告審が5日、東京高裁で結審した。袴田巌さん(86)に死刑を言い渡した最大の証拠が、事件の約1年2カ月後にみそタンクの中から見つかった「5点の衣類」だ。袴田さんの犯行時の着衣とされたが、弁護側は付着した血痕に赤みが残るのは不自然だとする。  事件は1966年6月30日未明、静岡県清水市(現静岡市)のみそ会社専務宅で起きた。一家4人が刺殺、家に放火され、従業員だった袴田さんが同8月、県警に逮捕され、いったんは自供した。  袴田さんは一審静岡地裁の初公判で否認に転じたが、67年8月末、従業員寮を併設するみそ工場の1号タンクで前年7月に仕込んだ赤みその取り出し中、底近くから麻袋に包まれたズボンなど衣類5点が見つかった。血痕が付着し、9月には袴田さんの実家からズボンの端布も押収された。  タンクに隠匿が可能なのは、みその貯蔵状況から、仕込みが始まった「66年7月20日以前」か、取り出し開始から発見までの「67年7月25日~8月31日」のいずれかしかない。検察側は、袴田さんが事件直後に遺棄して隠したとして、犯行時の着衣を供述に基づく当初の「パジャマ」から「5点の衣類」に変更。一審は決定的証拠と認めて死刑を言い渡し、80年に最高裁で確定した。  これに疑義を呈したのが、弁護側の実験だ。当時の実況見分調書や鑑定書は血痕が「赤褐色」「全般的に淡赤褐色」だったとしたが、約1年2カ月のみそ漬け実験で「黒褐色」に変色した。弁護側は発見直前に遺棄、工作されたことを示すとして再審を請求した。  静岡地裁の再審開始決定は東京高裁で棄却されたが、最高裁は血痕の色調変化が十分検討されていないと判断。審理のやり直しを命じ、「約1年2カ月間みそ漬けされていた可能性が否定されれば犯人性に合理的疑いが生ずる」と指摘した。  差し戻し審では、弁護側が白みそも用いた実験などからみその色にかかわらず黒くなるとし、検察側実験でもほぼ赤みが消失したと指摘した。5点の衣類は犯行時の着衣か否か。他の証拠も踏まえ、再審開始の是非が年度内に判断される。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕袴田事件の第2次再審請求差し戻し審結審のため、東京高裁に向かう袴田巌さんの姉・ひで子さん(左から3人目)と弁護士ら=5日午後、東京都千代田区
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