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仏僧、紛争地で廃寺再興=イスラム武装勢力拠点―宗教間融和に手応え・タイ


 イスラム武装組織の武力闘争が続くタイ南部ソンクラー県サバヨーイ郡で、長期にわたり放置され、廃虚と化していた仏教寺院、グラ寺の再興に僧侶マノップさん(55)が取り組んでいる。サバヨーイ郡を含む「深南部」と呼ばれるタイ最南部は、一般市民を巻き込むテロが頻発。マノップさんは「武装組織の活動が活発な県内で最も危険な地域だが、イスラム住民も再建に協力している」と宗教間の融和に手応えを感じている。  マノップさんは県内の洞窟で修行中の2020年、軍高官から寺の管理を打診された。「当初はためらったが、来てみるとこことの縁を感じ、生きている限りとどまると誓った」という。  16~17世紀に建てられたとみられる寺は、20世紀前半に遺棄されているのが見つかった後も放置され続け、マノップさんが来た時は本堂の土台と一部の建物しかなかった。マノップさんは荒れ放題で電気も水道もない寺に1人で泊まり込み、再建に着手。今では仏像の復元も進み、6人の弟子がマノップさんの下で修行を積む。  仏教徒が9割以上を占めるタイにあって、村の住民は大半がイスラム教徒。仏教徒の多くは武装組織の活動活発化に伴って移住し、残っているのは5家族のみ。マノップさんが来るまで近くに機能している寺はなかった。この地に先祖代々住む男性ナウさん(72)は「寺が復活し、今は心の平安が得られる」と喜ぶ。  「村を出た仏教徒やその子孫には戻ってきてもらいたい」と切望するマノップさんは「イスラム住民は寺を支援してくれる。私もモスク(イスラム礼拝所)の宗教行事に参加している」と語り、両教徒の円満な暮らしぶりを強調した。  気になるのは「外部から入り込み、若者をたきつける過激派」だ。マノップさんの元にはだまされたり脅されたりして武装組織に参加後、助けを求めに来るイスラム教徒の若者もいる。マノップさんに相談後、殺害された若者の話も耳にした。マノップさんは「難しい立場に追い込まれ、組織から抜け出せずにいる若者もいることを理解すべきだ」と述べ、組織に取り込まれた若者を批判すべきではないと説いた。 【時事通信社】 〔写真説明〕廃寺となったグラ寺の再興に取り組む僧侶マノップさん=10月16日、タイ南部ソンクラー県 〔写真説明〕再建中のグラ寺本堂=10月16日、タイ南部ソンクラー県
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