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「人格的生存に重大な脅威」=同性婚否定の根拠、失われて30年―東京地裁判決示す


 同性愛を異常なものとするかつての認識の誤りは改善されつつあり、差別、偏見を克服しようとする動きがある―。同性婚を認めない民法などの規定が憲法違反かが争われた訴訟で、東京地裁判決は30日、同性カップルらを取り巻く状況をこう指摘した。戦後の一時期まで「精神疾患」とされた同性愛は、その医学的根拠が失われてから30年がたつ。地裁判決は同性婚を許さない現行制度を「人格的生存への重大な脅威、障害だ」とした。  同性愛は長らく精神疾患と考えられていたが、1973年に米国精神医学会が精神障害分類から除外する決議を行ったのを機に知見が広まった。日本も例外ではなく、92年には世界保健機関(WHO)が疾病分類から同性愛を削除した。  昨年3月の札幌地裁判決は、こうした歴史的経緯から「同性婚を否定した科学的、医学的根拠は失われた」と指摘した。「いかなる性的指向を有する者であっても享受し得る法的利益に差異はない」と強調し、法の下の平等を定める憲法14条に違反するとの結論を導いた。  今回の東京地裁も同性愛、同性婚が置かれた経緯を検討し、「同性愛者を取り巻く社会状況に大きな変化がある」と言及。さらに「家族としての法的保護を受ける利益は個人の尊厳に関わる重要な人格的利益で、男女の夫婦と変わらない生活を送る同性愛者にとっても同様だ」とした。  ただ、憲法制定や現行民法成立の47年は、同性愛が「疾患」とされた時代だ。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした憲法24条に関しては、札幌地裁も含め各地の地裁は「異性」を指すとして、原告側の訴えを退けた。  一方、多様性や共生社会への機運の高まりを受け、東京都も11月から同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度の運用を始めた。調査団体の調べでは、導入は242の自治体に及び、人口普及率は62%に達した。  とはいえ、諸外国で2000年以降に同性婚の導入が広がる中、同性カップルの保護に関する国会議論は15年ごろに始まったばかりだ。東京地裁判決は「制度の構築方法は多様なものが想定され、立法裁量に委ねられている」としている。 (了)【時事通信社】
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