新型迎撃ミサイルの発射試験成功＝イージス艦ＭＤ体制本格稼働へ―海自

　海上自衛隊は２１日、最新鋭イージス艦「まや」と「はぐろ」の性能試験を米ハワイ沖で行い、標的ミサイルの破壊に成功したと発表した。「まや」は日米で共同開発した新型迎撃ミサイル「ＳＭ３ブロック２Ａ」を海自艦艇として初めて発射した。 　防衛省によると、両艦の機能確認が全て終了し、今後ミサイル防衛（ＭＤ）任務に本格活用する方針。同省が計画するイージス艦８隻による強固なＭＤ体制が整う形になり、海自は「わが国のミサイル迎撃能力がより向上した」としている。　 　防衛省によると、試験は１６～２１日に実施。「まや」は、米軍が発射した、中距離弾道ミサイルを想定した標的に、ＳＭ３ブロック２Ａを大気圏外で命中させた。「はぐろ」は従来型のＳＭ３ブロック１Ｂで短距離弾道ミサイルを破壊。「まや」の探知情報をもとに「はぐろ」が目標を破壊する試験にも成功したという。 　ＳＭ３ブロック２Ａは米防衛大手レイセオン・テクノロジーズと三菱重工業が共同開発。従来型よりも迎撃高度や射程が拡大し、センサー能力の向上で高角度の「ロフテッド軌道」に対する迎撃能力も上がったとされる。これまでは米艦艇からの発射試験だけだった。 　防衛省はＳＭ３ブロック２Ａを配備した４隻と従来型搭載の４隻のイージス艦計８隻で日本全土をカバーする計画で、順次配備を進める。また陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替となる新型艦の検討も進めている。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕日米で共同開発した新型迎撃ミサイル「ＳＭ３ブロック２Ａ」を発射する海上自衛隊のイージス艦「まや」＝１６日、ハワイ周辺海域（海上自衛隊提供）