日米共同演習始まる＝国内最大規模、離島防衛想定

　自衛隊と米軍による共同統合演習「キーン・ソード」が１０日、始まった。隔年開催の国内最大規模の実動演習で、日本周辺の海空域や自衛隊施設で離島防衛や弾道ミサイル対応を想定した訓練を実施。日米の共同対処能力の向上を図る。 　訓練は、明確に軍事行動と判断しにくい「グレーゾーン事態」が島しょ部で発生したと想定。護衛艦が攻撃を受け、存立危機事態が宣言されるという流れに沿い、関係部署が連携して対応する。　 　鹿児島県徳之島では、上陸を図る部隊と防衛する部隊が向かい合う形で演習を実施する。沖縄県与那国島などインフラの弱い島に部隊や装備品を迅速に展開し、拠点をつくる訓練も行う。 　演習には米宇宙軍や米陸軍の「マルチドメイン・タスクフォース（多領域作戦部隊）」が初参加し、宇宙やサイバーなどの分野でも日米の連携を深める。 　山崎幸二統合幕僚長は定例会見で「日米があらゆる事態に即応できる隙のない防衛体制を構築したい」と抱負を述べた。 　演習は１９日まで行われ、日米合計で約３万６０００人、艦艇約３０隻、航空機約３７０機が参加する。オーストラリアやカナダ、英国も一部訓練に加わり、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）も初めてオブザーバー参加する。（了）【時事通信社】