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北朝鮮、ミサイル17発以上発射=初の南北境界線越え―韓国も北側海上に3発


 【ソウル時事】韓国軍によると、北朝鮮は2日午前(日本時間同)、短距離弾道ミサイルや地対空ミサイルなど17発以上を日本海や黄海に発射した。うち短距離弾道ミサイル1発は日本海の南北軍事境界線に当たる北方限界線(NLL)の韓国側公海上に落ちた。NLLを越えてミサイルが着弾したのは初めて。韓国軍は対抗して、空軍の戦闘機からNLLの北朝鮮側公海上に、空対地ミサイル3発を発射した。  韓国軍によると、北朝鮮は2日午後、東岸から日本海のNLL付近に約100発の砲撃も行った。短距離弾道ミサイル発射を受け、韓国の鬱陵島地域には一時、空襲警報が発令され、住民が避難した。韓国軍は警戒態勢を引き上げた。  さらに、日本の防衛省発表では、北朝鮮は2日午後、短距離弾道ミサイルの可能性のあるもの少なくとも1発を日本海に発射した。最高高度50キロ以下の低い高度を飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。  韓国の尹錫悦大統領は、緊急の国家安全保障会議(NSC)を招集。南北分断後初めて北朝鮮のミサイルがNLLの南側に落ちた事態を受け、尹氏は「実質的領土侵害行為だ」と非難し、北朝鮮がはっきりと代価を払うよう厳重な対応を取ることを指示した。韓国軍合同参謀本部の姜信哲作戦本部長は「決して容認できない」と糾弾した。  米韓両軍は4日までの予定で、軍用機約240機を投入した大規模空中訓練「ビジラント・ストーム」を実施しており、北朝鮮はこれに反発したとみられる。  2日未明の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朴正天朝鮮労働党書記は談話で、米韓の訓練を非難し「これ以上容認できない」と主張。米韓が「武力の使用を企てるなら、史上最も恐ろしい代価を払うことになるだろう」と威嚇していた。  日米韓政府は、北朝鮮が核実験を含め、さらに挑発を行う可能性もあるとみて警戒している。  韓国の朴振外相は発射を受け、ブリンケン米国務長官と電話会談。両者は「類例のない重大な軍事的挑発行為だ」と強調し、核・ミサイルの脅威に対して協力を強化していくことで一致した。  防衛省は2日午前、北朝鮮が少なくとも2発以上の短距離弾道ミサイルを発射し、いずれも日本のEEZ外に落下したと推定されると発表した。2発は最高高度約100~150キロで飛距離は約150~200キロだった。 【時事通信社】 〔写真説明〕北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=10月17日、平壌(AFP時事) 〔写真説明〕2日、ソウルで国家安全保障会議(NSC)に出席する韓国の尹錫悦大統領(左)=韓国大統領府提供(AFP時事)
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