常連客の男に懲役２０年＝パブ経営女性殺害「無慈悲で残酷」―大阪地裁

　大阪市北区のカラオケパブで昨年６月、経営者の稲田真優子さん＝当時（２５）＝を殺害したとして、殺人罪に問われた常連客の無職宮本浩志被告（５７）の裁判員裁判の判決が２０日、大阪地裁であった。大寄淳裁判長は「無慈悲で残酷な犯行で、強く非難されなければならない」と述べ、懲役２０年（求刑無期懲役）を言い渡した。 　大寄裁判長は、宮本被告以外には犯行が困難で、「合理的な疑いを差し挟む余地はない」と認定。公判を含めた犯行後の言動については、「反省を見いだすことができない」とも非難した。ただ、同種事件と比べると、有期刑が相当と述べた。　 　判決によると、宮本被告は昨年６月１１日夜、カラオケパブ「ごまちゃん」の店内で、稲田さんの首や胸などを刃物で多数回突き刺すなどして殺害した。 　判決後に記者会見した兄の稲田雄介さん（３０）は「どんな刑罰が出ても真優子は戻ってこない。被告には今でも（真相を）話してほしかったと思う」と述べた。 　これまでの公判で、弁護側は無罪を主張。宮本被告は自らの死刑を求める一方で、事件への関与を黙秘していた。（了）【時事通信社】