中国、冷え込む不動産市場=収入減で地方苦境―習指導部に危機感

 【北京時事】中国経済の成長エンジンだった不動産市場が冷え込んでいる。中国恒大集団など開発大手の経営危機が続く中、8月の住宅新規着工面積は、前年からほぼ半減。土地使用権の売却収入を主要財源とする地方政府の苦境を招き、職員給与の支給が遅れたケースもあるとされ、習近平指導部は危機感を強めている。  「買ったことを後悔している」。南部・広西チワン族自治区のマンションを昨年6月に購入した30代の女性会社員はこう嘆く。価格上昇を見込み、マイホームの取得に踏み切ったが、不動産価格が低迷する現状に「タイミングが悪かった」と唇をかんだ。  冷え込みのきっかけは、当局が不動産バブル抑制を目的に打ち出した事業者への融資規制強化だ。恒大などは銀行から融資を受けるのが難しくなり、資金繰りに行き詰まったことから、下請けの経営も悪化。一部の物件では建設工事が止まり、買い控えや住宅ローンの返済拒否が全国に広がった。  不動産は関連産業を含めて国内総生産(GDP)の約3割を占めるとされる。市場の冷え込みは、厳格な新型コロナウイルス対策に伴う経済活動の停滞とともに景気の足を引っ張っている。国家統計局は今月18日に予定していた今年7~9月期GDPの発表を突然延期。開催中の共産党大会に水を差さないため、景気悪化を示す統計の公表を避けた可能性がある。  中国人民銀行(中央銀行)は8月、住宅ローン金利の基準となる最優遇貸出金利(LPR)5年物について、今年3度目の引き下げに踏み切った。地方当局は事業者の資金繰りを支援。中国メディアによると、公務員や国有企業の職員らに購入を促す取り組みも始まった。  しかし、人民銀の調査によると、今後3カ月で住宅価格が上昇すると回答した人は14.8%と、過去最低水準にとどまる。中国は近く、人口減少社会に突入すると見込まれている。「実需が減ることにより、不動産に依存した経済発展パターンは立ち行かなくなる可能性が大きい」(大和総研の斎藤尚登主席研究員)とみられ、習指導部は成長モデルの転換を迫られている。 【時事通信社】 〔写真説明〕建設が止まった中国の工事現場=19日、北京

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