洪水被害「まるで津波」＝米ハリケーン、１３０人超死亡

　【フォートマイヤーズ（米フロリダ州）時事】大型ハリケーン「イアン」が直撃した米南部フロリダ州のフォートマイヤーズでは、復旧作業が本格化する中、甚大な被害に住民らは「まるで津波に襲われたみたいだ」と悲嘆に暮れている。米ＮＢＣテレビの集計では、８日時点の死者は１３０人を超えた。 　ハリケーンは９月２８日に上陸。米メディアによると、同州で犠牲になったのは大半が６０歳以上の高齢者で、死因の多くは洪水による水死だった。安否不明者の捜索活動が依然続いており、正確な死者数は分かっていない。 　フォートマイヤーズでは、沿岸部の多くの住宅が洪水で押し流された。自宅が骨組みを残すだけとなった元新聞社勤務ラルフ・ワグナーさん（８４）は、かつて映像で見た日本の津波被災地を思い出したという。「同じだよ。完全に破壊されてしまった」と肩を落とした。 　日本在住経験のある写真家カレン・デヘイズさん（６９）も、自宅が大きく損傷。「日本人なら似たような光景を見たことがあるはずだ」と語る。それでも「ここには助け合う友人が大勢いる。ここで暮らし続けるつもりだ」と復興を誓った。　【時事通信社】 〔写真説明〕ハリケーン「イアン」で被災した住宅＝７日、米フロリダ州フォートマイヤーズ 〔写真説明〕ハリケーン「イアン」で自宅が大きく損傷したラルフ・ワグナーさん（左）＝７日、米フロリダ州フォートマイヤーズ