ＥＵ、１０％節電で合意＝ピーク時５％義務付け―エネルギー危機で

　【ブリュッセル時事】欧州連合（ＥＵ）加盟国のエネルギー相は３０日の臨時閣僚理事会で、今冬に電力消費量の１０％削減を目指すことで合意した。ピーク時は５％の削減を加盟国に義務付ける。ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機に対応する。加盟国の承認を経て、１０月上旬に正式決定する見通し。 　理事会はこのほか、再生可能エネルギーや原発などの発電業者が売電で得る利益について、１メガワット時当たり１８０ユーロ（約２万５０００円）を超える分を徴収することで合意。石油や天然ガスといった化石燃料を扱う企業についても、利益の一部を拠出するよう求める。 　欧州委員会は、こうした措置を通じて１４００億ユーロ（約２０兆円）を得られると試算しており、電気料金の高騰に直面する一般家庭や企業に資金を還元する方針。 　ＥＵ議長国チェコのスィーケラ産業貿易相は声明で、「この合意は欧州の市民や企業に安心感を与えるだろう。ピーク時の電力需要削減で価格に直接良い影響を及ぼすだろう」と述べた。　【時事通信社】