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「局地戦」の現実味、肌に=石垣島、迫る陸自配備―沖縄


 日中国交正常化から29日で50年。中国の軍事力増大を受け、日本政府は近年、防衛力の「南西シフト」で沖縄県の島々に自衛隊駐屯地を次々と開設した。主要な島の中で唯一駐屯地がなかった石垣島(人口約5万人)にも今年度末、陸上自衛隊が配備される。配備への島民の考えはさまざまだが、島が「局地的な戦場」となる現実味を多くの人が肌で感じている。  ◇賛成派も「複雑」  島中心部の市街地で青果卸売業を営む玉木茂治さん(65)は、台湾から移民した両親を持つ。「中国の武力侵攻や災害時に備えが必要だ」と自衛隊配備に賛成してきた。台湾出身者同士では「ミサイル一発でどんな被害が出るか」と話題に上るが、配備への賛否は分かれているという。  米国要人の訪台で緊張が高まり、8月には島周辺の離島近海に中国のミサイルが落下したことから、島の将来を気に掛けている。戦前から戦後、台湾からの移民は島にパイナップルや水牛を持ち込み、「島が台湾人に乗っ取られる」との反発を受けつつ、現在の島の経済の礎を築いた。陸自の配備予定地はその入植地周辺で、島の水源地でもある。「駐屯地の完成は複雑だ」と漏らした。  ◇「また基地のそばか」  配備予定地周辺でサトウキビ農家を営む喜友名朝秀さん(79)は1957年、沖縄本島の北谷村(現・北谷町)から家族と共に移ってきた。終戦後に疎開先から戻ると、故郷の土地は米軍嘉手納基地として接収され、耕す土地も補償もなかったためだ。  小中学生当時、米軍機の爆音や米軍による事件事故に日常的に直面したことが今も記憶に残っている。自身で開拓した土地に自衛隊が配備されることを「また基地のそばで暮らすのか」とこぼす。  ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見て「島でも同じことが平気で起きるだろう」と危惧している。「太平洋戦争時、南洋群島では基地のあった島で民間人が多く死んだ」と話し、自衛隊基地容認派が主張する「基地が抑止力をもたらす」との考えに違和感を覚える。  政府が武力攻撃を想定し、住民避難用シェルターの整備を検討していることには、「台風でスーパーの棚から食料が消える島だ。シェルターでどう生き延びるのか」とあきれる。「国同士で話が付くまで、島に戦争をさせておくつもりか。また沖縄を捨て石にするのか」と怒りをあらわにした。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕建設工事が進む陸上自衛隊駐屯予定地=19日、沖縄県石垣市 〔写真説明〕石垣島中央の農村地帯で建設工事が進む陸上自衛隊の駐屯予定地(右奥)=19日午後、沖縄県石垣市
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