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台湾、中国の圧力避け日本接近=断交50年で民間交流活発―小笠原欣幸・東京外大教授


 日中国交正常化後の50年で、「正常化」した中国とは外交関係が悪化する一方、「断交」した台湾とは交流が活発化している。この逆転現象について、小笠原欣幸・東京外国語大大学院教授(台湾政治)に話を聞いた。  ―日台が現在の関係に至る経緯は。  李登輝元総統が台湾で民主化を進めた1990年代以降、公式の関係はないながらも、日台相互の窓口機関を通じて政府レベルでの意思疎通が図られるようになった。東日本大震災で台湾から支援が提供され、日本の対台湾感情も非常に良くなった。2012年の日本による尖閣諸島の国有化や漁業をめぐる問題では、台湾でも批判的意見が出たり抗議活動が行われたりした。しかし、13年には尖閣周辺海域での漁業権をめぐる「日台漁業協定」が結ばれ、日台関係の懸案が解消した。領土に関する認識の違いがありながら知恵を働かせ友好的に対処できた世界的にもまれな事例だ。  50年前、日台を断交に追い込んだ中国共産党は孤立した台湾が中国を頼ると考えていたが、もくろみは外れ、日台交流はむしろ活発化した。日本台湾交流協会の今年の世論調査では、台湾で「最も好きな国」を「日本」とする回答が60%に上るが、「中国」は5%にすぎない。  ―良好な日台関係は今後も続くか。  そう見ている。中国が台湾統一を目指す圧力は日に日に高まっている。台湾では統一反対派が圧倒的多数で、日米を頼りにせざるを得ない。台湾の現状維持には米国の軍事力が不可欠。また、日本との民間交流は国際社会とのつながりを保つ上で重要な役割を果たしている。台湾の孤立を図る中国に対抗する中で、日本と強い結び付きがあり、欧米からも関心を寄せられている現状は台湾の自信につながっている。  ―習近平政権下で台湾政策は強硬になった。  台湾に対して、軍事力で抑え込みつつ、経済面での優遇策などで人々を取り込もうとしている。イソップ寓話(ぐうわ)の「北風と太陽」を同時に仕掛けるようなもので、これでは効果は上がらない。  中国も胡錦濤政権下では、台湾の民意動向を細かく分析した上で政策を繰り出していたが、習氏は違う。もはや台湾の民意を気にしていない。軍事的圧力を高め、脅迫して台湾を屈服させる「強制的平和統一」とも言える方法を狙っている。  24年には台湾総統選が控えているが、中国が「独立派」として強く警戒する頼清徳副総統が有力候補になる見通しだ。中国は今後、米国よりも圧力をかけやすい日本に対して、台湾との関係を弱めるような政治工作を仕掛ける可能性がある。 【時事通信社】 〔写真説明〕小笠原欣幸 東京外国語大大学院教授(本人提供)
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