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外交で共存図る=防衛力増強は不可避―宮本雄二元駐中国大使・日中国交正常50周年


 29日の国交正常化50周年の節目を控え、日中間では沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題など安全保障面で緊張が続いている。日中関係に長年携わった宮本雄二元駐中国大使はインタビューで、中国の軍拡に対応して日本が防衛力を増強する一方、共存関係を模索する総合的な外交努力の強化が必要だと訴えた。  ―日中は安全保障をめぐり緊張している。  競争的側面がますます強くなって、共存の側面が弱くなっている。しっかり危機管理をして、新たな段階に入る努力をしなければならない。国民同士の交流、相互理解を常に強化する努力をしないといけない。国民同士の関係は未来永劫(えいごう)続く。自分は正しい、相手が間違っているという立場に互いに立つ限り、戦争しか解決方法はない。  ―中国のナショナリズムが高まり、習近平体制は強国路線を取っている。  米国は台湾問題で譲歩する雰囲気にはない。米国と正面から戦ったら中国は負けるが、それでも譲歩できないのが台湾問題だ。このままでは習氏は厳しい選択を迫られる。米中衝突の危険性は高まっている。(米軍基地がある)日本は中国からすれば中立国ではあり得ない。台湾問題は人ごとではない。  ―日本政府はどう対応するべきか。  包括的な対応策を持つべきだ。中国が軍事力の増強を続ける限り、防衛力の増強は不可避だ。軍事専門家のロジックは、最悪のシナリオを考え、相手を過大評価しがちだ。相手も同様だから、軍拡競争はどちらかが打ち負かされるまで続く。そのサイクルに東アジアは入っている。この競争のプロセスは危険に満ちている。危機管理に全力を注ぐべきだ。  戦争ではない形で対立を終わらせるのが、政治と外交の仕事だ。隣の大国同士の日中は、共存する以外の道はない。日中共同声明と日中平和友好条約が追求する平和、友好、協力こそが共存を可能とする。この共通目標を再確認するべきだ。協力を拡大して共存を図るべきだ。その手だては十分にある。  中国は試行錯誤を続けている。習氏が言う(中華民族の偉大な復興という)「中国の夢」は、世代が変われば中身も変わる。「中国はこうなる。だからこう対抗するべきだ」といった決め打ちはやめた方がいい。 【時事通信社】 〔写真説明〕元駐中国大使の宮本雄二氏
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