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右派優勢、左派は分裂=初の女性首相に現実味―伊総選挙まで1週間


 【パリ時事】ドラギ政権の事実上の崩壊に伴い、イタリアで25日、前倒し総選挙の投票が行われる。世論調査では、ファシストの流れをくむ右派「イタリアの同胞(FDI)」を中心とした中道右派連合が約47%の支持を獲得し、最大勢力になるとみられている。FDIのメローニ党首(45)はイメージ軟化に成功、初の女性首相就任を視野に入れる。一方、中道左派・民主党は他党との選挙協力に失敗、左派は分裂状態だ。  ◇「むちゃしない」  選挙戦では、ロシアのウクライナ侵攻などによる物価高騰への対策が最大の争点となった。中道右派連合は企業に対する大規模な減税や、国外投資家による株式買い付け条件の厳格化などを公約。メローニ氏は選挙集会で「イタリアの国益を守る」と強調、支持者の期待を集めている。  メローニ氏はキリスト教の保守的な思想を擁護し、性的少数者への敵視を隠さない。かつて師事したベルルスコーニ元首相が就任へ野心を抱く大統領の権限強化も提唱する。FDIは元来、欧州連合(EU)の政策には懐疑的な姿勢で知られ、メローニ首相誕生ならウクライナ危機でEUの足並みが乱れかねないとみられてきた。  メローニ氏は今回、ウクライナ支持とロシア非難、EUと北大西洋条約機構(NATO)との連携を前面に打ち出し、柔軟性の演出に成功した。フランスのメディアは「メローニ氏がむちゃをするとは思えない。国際情勢に応じて動く」と楽観する伊財界の声を伝えている。  ◇勝ち馬に乗る  民主党を率いるレッタ元首相は「イタリアの民主主義に警鐘を鳴らしたい」と強調。メローニ政権誕生への危機感を訴えている。  中道右派連合の躍進を阻止すべく、他の中道政党との選挙協力を目指したが、まとまっていない。2018年の前回総選挙で、単独政党として首位に立った左派「五つ星運動」は今回、離党者が相次ぎ、もはや党存続の危機だ。  伊メディアによれば、2~3割の有権者がまだ投票先を決めていない。伊世論調査機関ユートレンドの政治学者は仏紙フィガロに「勝てそうな候補が最後に浮動票を集める傾向が年々強まっている」と指摘した。それなら「メローニ氏の加速は確実」と報じられている。 【時事通信社】 〔写真説明〕イタリアの右派政党「イタリアの同胞(FDI)」のメローニ党首=6日、ローマ(AFP時事) 〔写真説明〕イタリアのレッタ元首相=6日、ローマ(AFP時事)
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