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進展なき20年、怒りと諦め=日朝首脳会談20年―被害者家族らの思い(1)


 拉致された子どもたち、きょうだいに会いたい―。北朝鮮が日本人の拉致を認めた日朝首脳会談から17日で20年。5人の被害者が2002年10月に帰国して以来、新たに救出された人はおらず、家族らのたった一つの願いはいまだ実現していない。進展がないまま月日だけが流れ、再会を果たせずこの世を去った人も。「もう時間がない」。政府への怒りと諦めにも似た思いを募らせる家族らの声を聞いた。  ◇「こんなこと、いつまで」=横田めぐみさん―母早紀江さん、弟拓也さん  横田めぐみさん=拉致当時(13)=は1977年11月、新潟市の中学校でバドミントン部の練習を終えて帰宅途中に北朝鮮によって拉致された。めぐみさんの母早紀江さん(86)は「いつまでたっても解決しない。言いようのない、いら立ちを感じる」と憤る。  2020年6月には、めぐみさん救出のために一緒に闘い続けた夫の滋さんが87歳で世を去った。家族会代表で息子の拓也さん(54)は「これだけ待った挙げ句、悔しい思いをして他界した。こんなことをいつまで繰り返すのか」と怒りをあらわにする。  日朝首脳会談以降の20年、早紀江さんは政府の対応に不信感を隠さない。「誰がどういう形で北朝鮮の人と話しているのかも分からない。何にも動いていないのかなという思いがある」  歴代の首相には、再度の日朝首脳会談の実現を訴え続けてきた。「何十年も前から『みんな帰ってくるんだ』と、親世代は希望を持って待っていた。それなのに、残っているのは(自分と有本明弘さんの)2人だけというのは本当に無残な話だ。本当にむなしい思いをしている」と悔しさをにじませた。  ◇「なぜ、解決しない」=田口八重子さん―長男耕一郎さんら  田口八重子さん=拉致当時(22)=は1978年6月ごろ、1歳だった長男の飯塚耕一郎さんと2歳の長女を東京都内のベビーホテルに残し失踪した。現在、家族会事務局長を務める耕一郎さん(45)は「これだけ長い間、なぜ解決しないのか。疑問はどうしても拭えない」と心境を明かす。  家族会前代表で八重子さんの兄飯塚繁雄さんは昨年12月に83歳で死去した。耕一郎さんは「20年近く、ずっと二人三脚でやってきた。拉致被害者を救おうと、病気を押して頑張っていた」と振り返る。その上で「(母のように)40年以上も人生を奪われた被害者に対し、これ以上時間をかけるのは本当に酷だ」と強調する。  八重子さんの兄、本間勝さん(78)は被害者家族や支援者の多くが高齢化している現状に危機感を抱く。政府の対応について、「水面下で一生懸命やっていると言うが、何をどうしているのか一切情報がない」と批判する。それでも頼れるのは政府しかいない。「生きているかどうかだけでもはっきりさせて」と話す。 (了)【時事通信社】
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