塩野義製「一刻も早い承認を」＝コロナ飲み薬で提言―感染症学会など

　日本感染症学会と日本化学療法学会は２日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」の早期承認などを求める提言書を加藤勝信厚生労働相に提出した。「医療機関や薬局で対症療法薬も不足しつつあることが報告されている。一刻も早い承認が必要不可欠だ」としている。 　塩野義製薬は２月にゾコーバを承認申請。緊急時に医薬品を迅速に審査する新制度「緊急承認」の初適用を求めたが、厚労省は７月、「提出されているデータからは有効性が推定されるとは判断できない」と結論付け、継続審議とした。最終段階の臨床試験（治験）の結果などを待ち、改めて審議される見通し。　 　日本化学療法学会の松本哲哉理事長は提出後の記者会見で「（ゾコーバは）ウイルスを減らす効果は満たしているが、そこは十分に審議されなかった。感染状況を踏まえれば承認という判断もあったのではないか」と強調。感染の「第７波」を踏まえ、「緊急承認の審議は、医療状況を踏まえて議論してほしい」と要望した。（了）【時事通信社】