マリン首相に理解の声も＝パーティー動画流出で釈明―フィンランド

　【ロンドン時事】フィンランドのマリン首相（３６）がパーティーに興じる映像や写真が相次いで流出し、物議を醸している。いずれも私的なイベントの様子を捉えたものだが、ロシアのウクライナ侵攻で情勢が緊迫する中での振る舞いに批判が噴出し、首相は釈明や謝罪に追われた。一方、激務をこなす女性首相の「息抜き」に理解を示す声もある。 　騒動の発端は、マリン首相がパーティーで踊って騒ぐ動画が流出し、薬物使用の疑惑が浮上したことだ。自ら薬物検査を受けて２２日に潔白が証明されたが、このほかにも既婚の首相が夫以外の男性と親密に踊る映像が流出。さらに、首相公邸で開いたパーティーで、招待された女性２人が上半身裸でキスする写真がインターネット交流サイト（ＳＮＳ）で流れ、首相は２３日、「この写真は適切ではない。撮られるべきではなかった」と謝罪に追い込まれた。 　現地からの報道によると、首相は２４日、党首を務める社会民主党の集会で「私も人間。暗雲の中、時には喜びや楽しみを求めることがある」と理解を求めた上で、「仕事は一日も休んでいない」と訴えた。首相に対しては、若者を中心に「仕事をすれば、パーティーは関係ない」などと擁護する声が上がっているほか、女性が楽しそうに踊る動画がＳＮＳに多数投稿され、首相への連帯を示す動きも出ている。 　一方で、フィンランド英字紙ヘルシンキ・タイムズはコラムで、問題のパーティー開催時に首相は休暇中ではなく、緊急事態への対応に不備があると問題視した。　【時事通信社】 〔写真説明〕社会民主党の集会で発言するフィンランドのマリン首相＝２４日、南部ラハティ（ＡＦＰ時事）