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占領地の博物館「再建」目指す=2度の移転、不屈の館長―ウクライナ


 ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、東部ルガンスク州の郷土史博物館は、この7年間で2度目の移転を余儀なくされた。館長のオレシア・ミロワノワさん(41)は、避難先の西部リビウを拠点に新たな資料収集を始め、博物館「再建」と展覧会開催に向けて奔走している。  2014年のロシアによるクリミア半島併合後、ルガンスク州を含む東部ドンバス地方で紛争が激化し、州都ルガンスクは親ロシア派武装勢力に占領された。ミロワノワさんは同州スタロビルスクに避難。東部の伝統的な食器や家具などを展示していた郷土史博物館も15年、同地に移転した。もともとの収蔵品は放置し、親ロ派に略奪されたとみられている。  その後、約7年かけてスタロビルスクで7000点を新たに収集した。しかし今年2月下旬、ロシア軍がルガンスク州などに本格侵攻すると、遠方のリビウへの避難を強いられた。東部紛争での「ロシア側の犯罪行為の証拠」なども集めていたため、ロシア軍に見つかると館員が危険にさらされる恐れがあったという。  ミロワノワさんは、リビウでも博物館「再建」を目指し、再びゼロから収集を始めた。「私の使命は、ルガンスク州や東部の実情を伝えることだ」と強調。「リビウなど西部の人たちは、東部というと炭鉱を想像するぐらいだが、豊かな文化がある」と力説する。  数日かけてリビウに退避する途中、セベロドネツクで撃墜されたロシア兵のパラシュートをウクライナ軍から譲り受けた。避難民が逃げる際に撮影した写真なども提供してもらっている。現在の戦争にまつわるそれらの資料を加え、再建への一歩として「展覧会を実現したい」と話した。  ミロワノワさんは「ウクライナ軍が奪還すれば、ルガンスク州に戻って博物館を再開したい」と語る。しかし、同州での戦闘は激しく「解放されたとしても、被害が大きく戻る場所がないかもしれない」。逆境をはねのけてきた不屈の館長も顔を曇らせた。 【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じるオレシア・ミロワノワさん=3日、ウクライナ西部リビウ 〔写真説明〕ロシア兵のパラシュートを掲げるオレシア・ミロワノワさん(左)(ミロワノワさん提供・時事)
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