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「血痕の赤み残る可能性」=検察側法医学者が証言―袴田事件


 「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さん(86)=釈放=の第2次再審請求差し戻し審で、検察側が請求した法医学者2人の証人尋問が1日、東京高裁(大善文男裁判長)で非公開で行われた。事件の約1年2カ月後にみそタンクから見つかり、犯行時の着衣とされた衣類の血痕について、「赤みが残る可能性がある」と証言した。  尋問後に記者会見した弁護団によると、2人のうち1人が検察側の再現実験で「血痕の赤みが残ると推論できる」と答えたが、根拠は示さなかったという。検察側は大量のみそが入ったタンクを再現するため、脱酸素剤や真空パックを用いて酸素濃度を下げて実験している。  弁護団は血痕が「黒褐色」に変化した実験結果から、証拠が捏造(ねつぞう)されたと主張。7月22日の弁護側証人尋問で、別の法医学者2人が、血中ヘモグロビンの変質により黒褐色になると証言し、検察側実験は極端な環境設定だとして「意味がない」と指摘していた。  今月5日に弁護側実験の鑑定書を作成した物理化学者の証人尋問が行われ、11月に裁判長らが検察側実験を視察する予定。 (了)【時事通信社】
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