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鋭く認識追及、初の原発視察=東電株主訴訟で朝倉裁判長


 東京電力福島第1原発事故の株主代表訴訟で旧経営陣に賠償を命じた東京地裁の朝倉佳秀裁判長(54)は、1993年に判事補に任官した。最高裁民事局の各課長や内閣審議官などを経て、2020年10月から東京地裁部総括判事を務め、株主訴訟4人目の裁判長として訴訟指揮を執った。  昨年行われた勝俣恒久元会長や清水正孝元社長、元副社長の武黒一郎、武藤栄両氏への尋問では、他の2人の裁判官とともに津波対策の必要性の認識を問いただす場面が見られた。  津波地震を予測した政府機関の「長期評価」に基づく津波高の試算結果について、原子力・立地副本部長として報告を受けた武藤氏に対し、朝倉裁判長らは「長期評価が事実だとしたら原発はどうなると考えたのか」などと追及。同本部長だった武黒氏にも「非現実的だと主張する仮定の通りになったらどうなるのか」「敷地を超える津波のリスクは分かっていたのか」と質問攻めにした。  業務執行に関わっていないと述べる勝俣元会長には「万が一にも事故は起こしてはいけないという認識はなかったのか」と追及した。  裁判官として事故後初めてとなる第1原発視察は、「必要ない」と訴える旧経営陣側の反対を退けて決定し、昨年10月に現地に赴いた。原告団によると、非常用電源が水没したタービン建屋の出入り口や吸気口などを熱心に見て回ったという。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕朝倉佳秀 東京地裁裁判長(司法大観より)
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