対日改善へ動き加速＝岸田政権の「軟化」期待―韓国【２２参院選】

　【ソウル時事】参院選で与党が過半数を獲得したことを受けて、韓国の尹錫悦政権は対日関係改善への動きを加速させるとみられる。まずは、両国間の最大の懸案である元徴用工問題の解決に向け今月発足させた官民協議会で、意見集約を急ぐ。 　韓国政府が早期の実現を目指していた朴振外相の訪日や日韓首脳会談は参院選後に先送りされた。日本側は、元徴用工問題で解決策を示すよう求めており、慎重姿勢を崩していない。 　韓国メディアは、日本で２０２５年まで大型の国政選挙の予定がなく、岸田文雄首相が「権力基盤を維持しやすい」と指摘。「権力基盤を固めた岸田首相が、首脳会談など関係改善に積極的に乗り出すかに注目」（中央日報）と日本の「軟化」を期待する見方が出ている。 　人事への批判や物価高で、最近の世論調査では尹氏の支持率が４割を切ることもある。譲歩を含む解決策を打ち出すには国民の支持が必要で、求心力がこれ以上落ちないうちに、関係改善の突破口を開きたい考えとみられる。　【時事通信社】