奈良市の容疑者宅前に爆発物処理車＝「危険、離れて」一時騒然と―安倍氏銃撃

　「爆発の危険があります。離れてください」。安倍晋三元首相（６７）が銃撃され死亡した事件で逮捕された山上徹也容疑者（４１）の奈良市の自宅前には爆発物処理車が出動した。周囲には規制線が張られ、一時騒然とした雰囲気に包まれた。 　奈良市大宮町にある山上容疑者の自宅マンションには午後５時１５分ごろ、奈良県警の家宅捜索が入った。防護服を着た機動隊員を乗せた車両など２台が到着し、私服の捜査員も含め計１６人が次々と中へ入った。 　「爆発する危険のある物を運び出す。遮蔽（しゃへい）物のない所は危険です」。捜索開始から約１時間後、県警の広報担当者が呼び掛け、マンション前にいた報道陣や住民は全員退避させられた。間もなく爆発物処理車が到着。黄色い規制線が張られ、付近は通行止めとなった。 　マンションから出てきた機動隊員は、黒っぽい物を持っていた。爆発物処理車に運び入れ、車はサイレンを鳴らしながら現場を立ち去った。通行止めは午後７時半ごろ解除された。　 　家宅捜索の様子を見ていた近所の４０代会社員女性は「ここは通勤で使う道。（山上容疑者宅が）自分の家から近くてびっくりした」と不安そうな表情で話した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕山上徹也容疑者の自宅から爆発の可能性がある危険物を爆発物処理車に運び入れた後、車から離れる機動隊員ら＝８日午後、奈良市 〔写真説明〕爆発の可能性がある危険物を格納した爆発物処理車＝８日午後、奈良市