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防衛費増額、識者の見方は=財源、使途「議論深めて」【22参院選】


 参院選の大きな争点とされる防衛費は、社民、共産を除く主要政党がおおむね増額の方向で一致する異例の展開となっている。ウクライナ危機で高まる国民の不安を反映したとみられるが、有権者が判断するポイントはどこにあるのか。立場の異なる3人の専門家に聞いた。  自衛隊制服組トップの統合幕僚長を務めた折木良一氏は「中国や北朝鮮、ロシアと面する日本の安全保障環境は世界でも特に厳しい」とし、対応には防衛費の増額が不可欠だと説明する。  使途も見直しが必要だとして、装備品調達と比べて不十分だった弾薬や部品の備蓄を進め、施設や訓練も充実させるよう提言する。遅れが目立つ宇宙・サイバーなどの新領域や、研究開発の重点強化も必要といい、「ウクライナ侵攻で『戦争は起こり得る』と目が覚めた面もある。国を守るための議論を深める機会にすべきだ」と話す。  防衛費を仮に国内総生産(GDP)比2%に増やす場合、子育て支援予算に相当する4.3兆円が必要とされるが、各党とも財源は明言していない。慶応大の土居丈朗教授(財政学)は「財政規律を考えず、確保の道筋も示さないのは無責任」と批判する。  財政の弱さも戦争の要因になるため、北大西洋条約機構(NATO)諸国は防衛費増と並行して財政健全化を進めたとし、「装備品の維持にもお金が必要。安全保障と財政基盤は切り離せない」と強調する。技術革新のスピードが速い装備品は長く残る資産ではないため、財源を国債に依存するのは問題だとして、「国防は大切な問題だからこそ、負担から目を背けず、恒久的な体制を議論してほしい」と求めた。  一方、「国民も政治家も雰囲気に流され過ぎでは」と懸念するのは元内閣官房副長官補の柳沢協二氏。「勇ましいだけのリアリティーを欠く主張も目立つ」と嘆き、「予算を倍にしたら防衛力も倍になるような単純な話ではない。増額ありきだと必ず無駄遣いが出る」と話す。  その上で、防衛力を増強するほど相手も対抗して増強する「安全保障のジレンマ」を指摘。「戦争抑止は軍備と外交が両輪で、各党の主張はバランスを欠く。冷静かつ広い視野で議論してほしい」と訴えた。 (了) 【時事通信社】
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